振る舞いが「心」を創り出す
最近の子供を見ていて少々気がかりな事があります。 特に、言葉の乱れや食事のマナーが気になります。
私は、今年50歳になりました。ですから、私の子供の頃の話は、今から40年以上も前の事で、それこそ、そんな時代のエピソードを持ち出すと今のお父さんやお母さん方には「そんな昔の事は古いよ
」と一蹴されてしまうでしょう。しかし、それを承知で申し上げます。
私の子供の頃は、周囲の大人から常に挨拶や礼儀作法について厳しくしつけられたものでした。自分の親、親戚は当然の事、学校の先生や上級生、近所のおじさんやおばさんからも、しっかりとした挨拶をしなかったり食事のマナーが悪いと、即座に注意を受けたものでした。
ですから、本当に小さい頃から、挨拶や感謝の言葉、お辞儀、食事の時のマナー等々の礼儀作法が生活の中で自然に見についたものです。
少し話題は変わりますが、私の本業はメンタル・トレーナーと言うもので、人の意識〈考え方〉を訓練する事を専門にしています。 その私の立場から見て、かつての子供たちを取り巻く環境が、如何に結果として、人の心〈子供の心〉を育てる上で効果的であったかという事を知るようになりました。
簡単に説明をすると、私たちの体と脳は、極めて密接につながっており、(基本は、脳からの指令を受けて行動は起きるのですが、実は、その逆もあり、行動自体も、脳の神経回路に強い影響を与える事が分かってきたのです)つまり、私たちの普段の全ての行動(振る舞い)は、そのたびに脳に情報としてフィードバックされ、一定の行動の繰り返しは、脳への一定の刺激となり、人の神経回路について、ある種の「癖」を創り出していきます。 したがって、小さい時に(たとえその意味や価値を知らなくても)上質の振る舞いを身につけさせておくと、その子の脳にはその上質な振る舞いを通じて、上質な神経伝達回路の「癖」がつくと言うわけです。 振返ってみると、特に食事におけるマナーについてですが、私は両親から極めて厳しく躾られた記憶があります。その時は大変面倒で窮屈に感じたのを憶えていますが、今、大人になってみると、やはりその時の躾のお陰で、(今は、大人になってその意味を理解できるようになりましたので・・・)自然と姿勢や気持ちが整い精神力が鍛えられ、食事のマナーに限らず様々な生活の場面での精神力が鍛えられているように感じます。
小さい頃の行動は、脳の中に、その行動の影響を受けた「心の地図」を作るのに大変大きな影響があるという意味で本当です。実際には3歳までではなく、12~
13歳までが「心の地図」を創るのに大変影響があります。また、一旦子供の頃に出来上がってしまった「心の地図」を大人になってから少々具合が悪いと感じて、改めて作り変えるのは実は、大変な苦労を伴います。
時々、ファミリーレストラン等で若い家族がマナーの悪い食事をしている風景を見かけます。親も子も、実に乱れた食事をしている様にちょっと心が痛みます。「嗚呼、今子供たちの中にとても質の悪い地図が書き込まれつつあるんだなぁ・・・」という思いです。
どうか、小さいお子さんをお持ちのお父さん、お母さん、あなた自身の振る舞いを通じ子供の脳に上質の「心の地図」を作ってあげてください。
子供は、あなたの言うことは聞きません。しかし、あなたのする事をよく見ています、そしてそれをまねします。 何かを言うこと以上にあなたが子供にどのような姿、振る舞いを見せるかが子供の心の質を高める上でとても大切です。
又吉信郎
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又吉信郎氏 プロフィール
株式会社グローバルフィールドコミュニケーションズ 代表取締役
アメリカで発達心理学を学び、ビジネストレーナーとして訓練を受けられ、人材育成を中心に大企業から中小企業、幼稚園等々、これまで100社以上の指導実績を持つ。
その一方で、自ら貿易会社を経営し経営者としても手腕を発揮されている異色の経営コンサルタント。
■今回縁あって、少年野球に携わっておられる指導者や、保護者の方々向けにコラムをお願いしたところ、 快く引き受けていただきました。
ご参考になれば幸いです。